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医療法人芍薬会 灰本クリニック 管理栄養士 渡邉志帆

Author:医療法人芍薬会 灰本クリニック 管理栄養士 渡邉志帆

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糖アルコールの代謝。。エリスリトールはどこへゆくのか?
おはようございます。篠壁です。
今日は久しぶりに学術情報をご紹介します。

みなさんは,0kcalのドリンクや糖類0商品,また0kcal甘味料で,糖アルコールの「エリスリトール」という言葉を聞いたり,見たりしたことがありませんか。
「エリスリトールで血糖値が上がらない」という話はすでにローカーボ食実施者,もちろん一般の食事療法実施者にとっても常識かと思いますが,本当に上がらないのか,どのように代謝されるのか,インスリンは出ないのか,健常者と糖尿病患者では代謝が違うのでは,などいろいろ疑問に思う方も多いようです。
エリスリトール含有食品によってどのように血糖が変化するかを確認するために,自己血糖測定の実施を推奨していますが,より化学的に統計学的にも実証されている研究としてIshikawa M et alの論文をご紹介します。

Effects of Oral Administration of Erythritol on Patients with Diabetes
REGULATORY TOXICOLOGY AND PHARMACOLOGY 24, S303–S308 (1996) ARTICLE NO. 0112


<5人の糖尿病患者へのエリスリトール経口負荷試験>
20gエリストール水溶液を5人の糖尿病患者へ負荷を実施。
血清エリスリトールレベルは1時間後にピークに達しその後下降した。
24時間以内の尿中総排泄量は82.0±3.7%で,72時間以内では88.5±3.3%。
グルコースとインスリンは,エリスリトール負荷3時間後に食事を摂取するまで変わらないまま変化せず,その後上昇した。遊離脂肪酸と3-ヒドロキシ酪酸はエリスリトール負荷後も上昇したが食事摂取後下降した。別の臨床検査では,エリスリトール20gを11人の糖尿病患者に14日間経口摂取させた。グルコースやHbA1cは終了時には減少した。腎機能の指標として,血清尿素窒素,クレアチニン,β2ミクログロブリンに有意な変化はなかった。エリスリトールは糖尿病患者の代謝に有意な影響は与えないようだ。


実際の論文では分かりやすい図で示されています。食事内容の詳細が示されていませんが(おそらく糖質あり)摂取したとたん,グルコース,インスリンともに上昇しています。目に見えない体内の代謝ですが,血中レベルではこんなに違う。。
また,この研究の特徴は対象者を健常者ではなく糖尿病患者で実施していることにあります。糖の処理能力が衰えている場合でも改めてエリスリトールから血糖値への影響がなく,大部分が尿中に排泄されていることが確認できました。

このような短期負荷試験は,分かりやすくていいですね。個人的に好きです(^o^)
ではまた!


ローカーボ食の学術情報 | 09:03:14 | トラックバック(0) | コメント(0)
「ローカーボ食を始める前に」
こんにちは。
篠壁です。


このカテゴリーでは,日本ローカーボ食研究会HPにも掲載がありますローカーボ食の基本・学術的情報をお届けします。

前回は,「CARD食」の定義をご紹介しましたが,大切なことを忘れていました!

こちらを初めに掲載しなければいけませんでした。すいません。




「ローカーボ食を始める前に」

ローカーボ食は,食事の「カロリー」ではなく,3大栄養素「蛋白質」「脂質」「炭水化物」のうち「炭水化物(糖質)」に注目した食事療法です。糖質とは炭水化物から食物繊維(dietary fiber)を除いたもので,これが血糖になります。

糖尿病薬やインスリン治療を行っている糖尿病患者さんは,ローカーボ食を実施することで食後血糖値が上昇しない時が増えるため,「低血糖」になる危険性があります。また,この食事療法さえ実施すれば必ず血糖コントロールが良くなるわけではありません。糖尿病歴,治療歴(薬,インスリン),糖尿病のタイプ(1型,2型,インスリン分泌能や抵抗性等)なども影響します。必ず,医師の指導もと実施して下さい。

また,糖質を制限することで蛋白質の摂取量が増加します。腎疾患等で蛋白制限を行っている方は実施しないでください。肝疾患,依存症等でアルコール制限を受けている方は,たとえ蒸留酒(糖質を含まない)でも摂取制限を守ってください。



ローカーボ食の学術情報 | 16:11:56 | トラックバック(0) | コメント(0)
CARD食(=Carbohydrate reduced diet)の定義
こんばんは。
篠壁です。

着々とHPの作成が進んでいます。

4月以降の配信を予定していましたが,少々遅れており5月初旬を目指しております。
このカテゴリーでは,HPにも掲載予定のローカーボ食の基本・学術的情報を
一足先にお届けします。

それでは今回は,栄養指導編より

「当院におけるローカーボ(糖質制限)食
CARD食=Carbohydrate reduced diet」のはじめかた
~「CARD食」の定義~
についてです。



(1)「CARD食=Carbohydrate reduced diet」の定義

「CARD食」とは,ローカーボ(糖質制限)食のなかでも
ゆるやかに糖質の制限をする食事療法です。
糖質とは炭水化物から食物繊維(dietary fiber)を除いたもので,
血糖値を上昇させる栄養素です。3食(朝・昼・夕)のうち1~3食「糖質の多い食品」を食べないことで糖質を制限します。基本的に,食事量は規制しません。
糖質制限をする回数は,目的や重症度に応じて変わります。
HbA1c(%)9.0-11.0では,朝食と夕食で「糖質の多い食品」を食べない2食CARD,HbA1c(%)<9.0や脂質異常症は1食CARD(夕のみ),減量目的では減らしたい体重に応じて1(夕)-2食CARDを実施します。
また,HbA1c(%)>11.0では短期的な3食CARD(朝,昼,夕)を実施しますがその後,2食CARDへと制限を緩めます。



ローカーボ食の学術情報 | 21:33:17 | トラックバック(0) | コメント(3)
糖質と炭水化物の違い
こんばんは。
篠壁です。

着々と,「日本ローカーボ食研究会」HPの作成が進んでいます。

4月以降の配信を予定していますが,
このカテゴリーでは,HPにも掲載予定のローカーボ食の基本・学術的情報を
一足先にお届けします。

それでは,当院院長,灰本 元より

「糖質と炭水化物の違い」についてです。




(2)糖質と炭水化物の違い

糖質と炭水化物の違いは,
専門的になりますが,糖質は食物線維(dietary fiber)を含まず,
炭水化物ではそれを含むことが最大の違いです。
そういう意味で制限するのは糖質であり,炭水化物ではありません。
しかし,糖質制限の根幹は米・小麦の制限ですから
必然的に穀物の食物線維も大幅に制限することになります。
食物線維には体内でカロリーを発生しません。
つまりエネルギーにはならない空の栄養ですが,重さはあります。
したがってカロリーで示す場合には炭水化物=糖質ですが,
重さ(グラム)で表示する場合には,炭水化物=糖質+食物線維なので,
同じ食品ではカロリー数は同じですが,炭水化物の方が重く表示されます。



ローカーボ食の学術情報 | 20:01:58 | トラックバック(0) | コメント(0)
ローカーボ食とハイカーボ食
こんばんは。
篠壁です。

以前,「お知らせ」にも記載しましたように,
現在「日本ローカーボ食研究会」の立ち上げと
そのHPの作成の準備を着々と進めています。

「日本ローカーボ食研究会」のHPは,
ローカーボ食の学術的情報や
私たちローカーボ食研究チームの臨床データ・症例報告,
また,ローカーボ食の効果・利点だけでなく欠点も正確に把握し,
その最新の科学情報を多くの医療関係の方々に知ってもらい,
それをふまえて科学的議論ができる場を提供を目指しています。

4月以降の配信を予定していますが,
このカテゴリーでは,HPにも掲載予定のローカーボ食の基本・学術的情報を
一足先にお届けします。

本日は当院院長,灰本 元より

「ローカーボ食,炭水化物,糖質などの用語の説明」についてです。




(1)ローカーボ食とハイカーボ食

 ローカーボ食は“低炭水化物食”のことです。
欧米の論文で一番使われているのは
low-carbohydrate diet(直訳すると“低い炭水化物食”)です。
私たちの医師,管理栄養士の仲間ではlow-carbohydrate dietを略して
low-carb diet,さらに略して文語では“ローカーボ食”,
口語では“ローカーボ”と言っています。
 
欧米ではcarbohydrate-restricted diet(炭水化物を制限した食事)と
表現する研究者も少なからずいます。
この食事療法の日本語の表記はまだ決まったものはありませんが,
私たちは「ローカーボ食」と表現することにしました。

 日本の管理栄養士では“糖質”という用語がありますが,
欧米では“糖質”に対応する用語は見あたらず,
すべて“Carbohydrate”=炭水化物に統一されています。
私たちは海外の雑誌へ投稿しており,
この食事療法による糖尿病治療ついての英論文は
私ども以外に日本ではみあたらないので,
欧米との整合性を保つために糖質制限ではなく,炭水化物(糖質)制限食としました。

それに対してハイカーボ食とは,
従来の高炭水化物・糖質+低脂肪=カロリー制限食のことです。
カロリーはグラムあたりを比較すると脂肪の方が炭水化物より高いので,
当然カロリー制限=低脂肪食になります。
カロリーをある程度摂らないと人間の筋肉や脳細胞がエネルギー欠乏を起こすので,脂肪を制限するならどうしてもカロリーの多くを炭水化物・糖質から摂取することになります。
このような従来型の食事療法をローカーボに対比して,
high-carbohydrate diet(直訳すると高炭水化物食),
略してハイカーボ食と私たちは呼んでいます。










ローカーボ食の学術情報 | 21:21:12 | トラックバック(0) | コメント(0)
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